イベリコ豚と恋と椿。イベリコ豚と恋の奴隷。

「イベリコ豚と恋と椿。」のネタバレ感想

不良といっても全然いいことしかしていません。ケンカしたり、いつも集団でいるだけです。

「イベリコ豚と恋と椿。」１話

イベリコさんこと入江と他校の高校生・椿との出会いのお話。出会いからして入江の目つきが狙っている目つき。うまい。食事したりじゃれてる時も、ずっと狙っている目。入江は素直でまっすぐな椿が好きになり、椿もつるむうちに入江に男惚れする椿。親同士の大人の事情的な揉め事で、雨の中、チューをして別れを告げた入江。だが椿の躊躇していた恋がさらに勢いづいて、炒飯組に乗り込んで、土下座して、逆に気に入られる。障害がなくなってラブラブな二人。 男気あふれる内容の第１話。雨のシーンがロマンチックでギャップ萌えします。最高。入江と椿の二人ともカッコいいのもいいです。重要な対面会話の時のコマ割りがカット割りのようで、パンパンとテンポよく、脳内再生されるシーンが気持ちいい、です。

「イベリコ豚と繁殖小屋」

イベリコさんたちのために、ホエイさんたちが繁殖小屋（ボロい）という名のプライベート空間を作ってくれる。まだ決心のつかないノンケの椿は、入江に「しばらく会うのよそう」という。入江はちょっと壊れる。 お代官高校の二枚舌トオルに椿が狙われて捕まる。吉宗たちが助けに行き、入江にもバレてしまいやってくる。 キレたらヤバイ入江になってしまい、止めに入った椿を殴ってしまう。 小屋で、椿はいつも自分を大切にしてくれる入江に愛撫。 「もう俺　お前とトゥギャザする　腹すえた」（この独白サイコー！） エロいシーンで映画でいうカット割りの手法でコマ割りがされていて、臨終感があってすごくいいです。 小屋が壊れる～（笑） お幸せに！

「目覚めの日」

吉宗の過去、三幸工業生の時の話。雀荘で知り合った伊賀に、いいように利用された過去の夢を見る。

「繁殖小屋は貸し出し中。」

やらせてくれるが、付き合ってくれない吉宗の話。

「イベリコ豚とお王様ゲーム。」

キャラのいろいろな王様ゲーム姿が楽しい描き下ろしです。

ゲイだとかノンケだとかいうこだわりも多少はありますが、ブロマンス的な「男に惚れる」人間として好きになる感じのBLマンガ。自然な感じがなんともいいボーイズラブでした。 このあと続きは、「イベリコ豚と恋の奴隷。」「イベリコ豚と恋の奴隷。2」で、吉宗と源路が中心の巻になります。

「イベリコ豚と恋と椿。」についての素朴な疑問

• 入江のあだ名はなんで、「イベリコさん」なのか？
  表紙カバーをとったところに書いてあります。「イベリコさん」と入江にあだ名がついているのは、おばあちゃんがスペインでイベリコ豚のハムをつくっていて、規格外のを送ってくれるからだそうです。
• イベリコ豚たちは、ヤンキーなのか？
  これについては、ちがいます。SHOOWA先生ご本人のコメントで
  「『ヤンキーBL』と言っていただくことが多いんですが、この機会に言います！実はこの作品、私はヤンキーだと思って描いてないんです！」 「はじめての人のためのBLガイド」玄光社刊 より引用
  とあります。「ヤンキー」という言葉自体の持つ意味が、1980年代、1990年代、2000年代ごとに変化しているせいもあります。 ヤンキーというと、私の中では短ランとかボンタンとか着ている今ではどちらかというと暴走族的なほうが近いんですが…。よろしくを「夜露死苦」と楽しい刺繍をするほうです。最近はヤンキーが不良の意味で使用されるのであれば、ヤンキーなのかもしれませんけど正確には違うと思います。

「イベリコ豚と恋の奴隷。」のネタバレ感想

源路は、吉宗と付き合いたい、というか恋人になりたいが、なかなかなれない工程を２巻にわたって描いています。 これはこれでいいのですが、イベリコ×椿の話も2話ぐらいでも入れてくれたら、さらによかった、っていうか単なる希望です。イベリコ×椿のCPのほうが好きなだけです、すいません。名作です！ぜひお読みください。

「イベリコ豚と恋の奴隷。」２の感想

ホテル代のため、バイトを頑張る源路。ひたむきだなあ。 源路は吉宗と花火に行って浴衣でえっちする。吉宗が止まらなくなり自分に動揺するところがかわいい。 ついに「ちゃんと付き合いたい」という源路にうんと小さくうなずく吉宗。 やること変わらないのに、言葉の誓約があるかないかだけだろー、確かにそうなんだが…。


不良でゲイだったらこんな感じなんだろうなっていうリアルがある。映画的なカット割り（コマ割り）が最高で、臨場感があってドキドキする。物語の時間と空間を、読者が共有できる素晴らしい作品です。
男前受けの決定版BLマンガでした。ぜひお読みください！