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堕落家族論

堕落家族論 上 鶴亀まよ

BLマンガ作品DATA

著者
鶴亀まよ 先生
出版社
ディアプラス・コミックス / シェリプラス 新書館
発行
2024/9/6
おすすめ
推奨媒体
紙の本・電子版
あらすじ
紹介PR
元カノ・凛々子の死後、彼女の母から呼び出された仙太郎。凛々子の娘・めぐるの父親を決めるため、因縁の相手との3人暮らしが始まって!? 鶴亀まよがおくるコンプレックス・ファミリーラブ、上下巻同時刊行!

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堕落家族論 おすすめポイント

  • 既存のBLマンガから変化を遂げた上下巻
  • めぐると父候補二人の関係性が楽しい
  • ストーリー展開がおもしろい
  • めぐるの絶妙な表情の変化と、なにげないおしゃれさんな服装に注目!

堕落家族論の感想

またすごいBL読んじゃった!!新時代の幕開け?
いやぁ、読後うなっちゃったわよ!!
なんでこんなタイトル硬いんだろ?と感じてましたが意味が分かったぜよ!
いい意味で、違う分野開拓してきたBLだと思います。(うまく言語化できてませんが)
いままでのBLとは別もの、と考えてもいい気すらいたします。

子育てBLかと思って読み始めたら、そこがメインじゃなく、子の父親がどっちか、遺言で期間限定の同居する、というはじまり。
めぐるは無表情だけど、洋服がなにげに似合っていてかわいかったです。無表情の子っていつも変わらないようだけど、ずっと一緒にいるとちょっとの違いが分かるようになったり、他愛のないことがうれしいという萌えポイントがあります。

たぶんこのお話は、坂口安吾『堕落論』から着想してタイトルをつけたのだと思います。
読後にそれを知ると別の見方とか解釈とか深読みができます。
たぶん作家側も堕落論について読んだことがなくても記憶があいまいでも(これアタシ)、もちろん楽しめるように描いてあります。
だけど、です。堕落論がどんな話か知ると、このマンガの腑に落ちないところがわかってくるので、それが楽しいんですわ。
これは家族の形についての話。
現実の社会と合わなくなった家族観をどう崩すかのお話。そしてそれを全く最後まで感じさせずに、堕落論を使って、当事者たちの関係性や感情を使って、うまいこと表現しているお話。素晴らしいと感じました。

デビュー作をだいぶ前に読んで、ストーリー展開が上手な先生だなと感じたあいまいな記憶がありますが、ケタ違いにパワーアップされました。若いマンガ家の伸びしろ、しかも想像以上の伸びしろが感じられてウキウキです。

一般人にBLと言わずに貸して、どんな反応してもらえるのか、気になるBLマンガです。
BLが新たな倫理を示す時代に突入。2024マイベスト入り。 ぜひ、お読みください。

堕落家族論 深読みポイント

  • 父親はどっちか?7年も経っているのに?
  • 凛々子の倫理観はどこから?
  • めぐるはなんで無表情なのか
  • おばばは、なぜめぐるを手放す?
  • 藤馬も仙太郎もなぜ遺言に従う?

「堕落家族論」のネタバレ感想

ネタバレ感想はありません。上巻の描き下ろし、楽しかったです。 アタシはドMなので☆1とか2のレビューが気になるんですけれども、このお話も読み方が浅いと☆1とか2なのかもしれません。 でもまあ堕落論のことはおいておいても、めぐるはかわいくて聡くて最高ですし、センタローも藤馬も魅力的で、これもドラマ化決定かな?と個人的に思っております。 そしてね、3人のこのあとの生活が読みたい!と切望しています。

参考情報

『堕落論』から着想してタイトルをつけたかどうかは、公式発表でもなんでもありません。
一切関係ない可能性もありますが、気になった方用です。